2019/03/05更新
積雪の影響もあってか、あちこちに白い粒達が顔を見せてくれてます。
幼少の頃、溶けない雪がある!なんて思いながら踏みつけてた思い出があります。ガリッと音がしますよね。
この白い粒たち、実は融雪剤と言って雪を溶かしてくれる効果があります。
しかし注意すべき点がいくつかあり、効果とともにまとめてみようと思います。
融雪剤とは
まず種類がいくつかあって、
- 塩化カルシウム
- 塩化ナトリウム
- 塩化マグネシウム
- 酢酸カルシウム
- 酢酸マグネシウム
- 酢酸カリウム
- カーボンブラック(これは着色による効果)
などがあります。基本的には同じ仕組みで雪を溶かしますが、詳しくは以下より書き出していきます。
融雪剤が雪を溶かす仕組み
詳しい仕組みに関しては、まずWikipediaを引用します。
融雪剤の散布によって、塩化カルシウムなどの成分が水に溶けて凝固点降下が起こり、融点が低下する。これによって、融点が気温を下回れば雪は水へと変化する。加えて塩化カルシウムが水に溶けるときに発生する溶解熱も、融雪に寄与する。なおこれらによって低下する融点は数度から十数度程度であるため、極端に低い温度の中では効果が得られない。
簡単に言いますと、水が凍る温度(0℃)を低くする効果があるので、冷たくても凍らない液体になると言う感じです。過冷却の状態ですね。
※ただし効果が10数℃の範囲なので、あまり寒いと凍ってしまいます。
塩の一種なので、いわゆる食塩水。つまり、雪に塩を撒いても効果が見込めます。
理科の実験で水を凍らせる為に、食塩水と氷を使って0℃より低い食塩水を作るのはこの凝固点降下が関係しています。
カーボンブラックの場合
これは太陽熱を吸収しやすくすることで雪を溶かすものです。もちろん、日が差さない日陰や夜なんかは効果が見込めません。
炭なんかも融雪剤として使われます。
融雪剤のデメリット
ということで、ただ撒くだけで雪を溶かすことが出来るのは大きなメリットです。その逆のデメリットについてですが、二点あります。
一つは上述しましたが、低下する融点が数度から十数度なので、あまりにも気温が低いと普通に凍っちゃいます。という事で、寒すぎる時には使えません。
そしてもう一つは、いわゆる塩の一種なので塩害が認められます。
塩害って具体的にはどういうこと?
影響の出る部分は、道路に撒いたことを想定して。
自動車の車体や鉄製のガードレール、構造物。近くにある植物、コンクリートに影響を及ぼします。
車体は洗車してれば問題ありませんが、見えにくい下部は知らないまま錆びてる事があります。
コンクリートは中に鉄筋が入っていて、割れ目から浸透して芯の鉄筋を腐食させたり。見た目には分かりませんが、強度が下がりまくって安全性が保てなくなったり。
植物は枯れちゃいます。同様に自宅の畑に撒いちゃうとよろしくないです。
今では問題となる塩分を含まないタイプもあります。
ただ、塩を使用したほうがコスト的にも効き目も有利な為、どうにも浸透しないようです。
撒く時や見かけた時の注意点(素手は禁止!)
あまり使うことは無いと思いますが、一応関連する情報として。
撒く時は素手で撒いちゃダメです。ゴム手袋必須。特に皮膚が濡れている場合は成分が溶けだして皮膚炎の原因になったりします。
子供が「わーこれ溶けない雪がある!」なんて濡れた路面から拾って触ってたら秒速で止めるようにしてあげましょう。
後はペット、犬の散歩時は要注意ですね。
散布量が決まっていて、1平方メートルあたり約30グラム(一握り)~100グラム程度と言われています。
ホームセンター等でも売られていますが、通販でも普通に購入が可能です。
転倒防止として家の前にばらまいたり、いざってときに常備しておくと良いかもしれません。う~ん都内はやっぱりスコップだけでいいかなぁ。
まとめ:使う用途は限られるし、あまり使わない方がいいかも
例えば雪があると転倒しやすく、または転倒しやすいお年寄りの方がいる場合は率先して撒いたほうが良いかもしれません。
しかし素手で触ってしまった時、お子様やペットのことを考えるとデメリットが大きいです。塩害も軒先から畑に流出して被害…なんてことも考えられます。
見かけた場合は注意しておくと、子供が触ってしまう危険性を回避できますね。
雪が降ってどうしても緊急用に滑り止めが欲しい場合、絆創膏が防災対策にも使えるようです。
ではでは(`・ω・´)ゞ