プラスチック問題から気になって調べてみたのです( ˘ω˘)
プラスチック、改めて見ると結構な量がリサイクルされず廃棄されてるでもまとめましたが、現状ものすごい量のプラスチックが廃棄されています。
しかも大部分は分解されないまま海洋を漂い続けます。
そこで環境に優しいとされる、自然に分解される生分解性プラスチックというものについて調べてみました。
生分解性プラスチックには種類がある
①完全生分解性と②部分生分解性という、少しややこしい名前ですが二種類があります。
完全生分解性プラスチックは、微生物などによって分解し、最終的に水と二酸化炭素に完全に分解する性質を持っている。
~中略~
部分生分解性プラスチックは、でんぷん、セルロース、PVAなどの生分解性材料と、通常のプラスチックとの混合物である。
お気付きでしょうか。
ここで言う②部分生分解性プラスチックは、分解されにくいプラスチックを含むのです。
まだ完全生分解性プラスチックであれば水と二酸化炭素に完全分解される為、環境への負担は少ないです。
しかし、この部分生分解性プラスチックが分解され、残ったプラスチックはどうなるか?
マイクロプラスチック問題
詳しい問題に関しては記事を作成してからリンクを貼ります。
この部分生分解性プラスチックが分解された後は、分解されにくい非常に細かいプラスチックが残ることとなります。
生分解性材料が分解された後は、目に見えないサイズの微細な通常プラスチックの粉末が残るが、これらは自然にはほとんど分解されない(プラスチックの安定性は化学的なものであり、微細な粉末であっても変わりはない)。これらが環境に与える影響は十分にテストされていない。
反応が早いので急速に分解されて土に還った、かのように見えますが…実際はマイクロプラスチックを大量に発生させているのです。
そしてこれの何が問題か?
部分生分解性プラスチックの残渣であるプラスチック粉末(マイクロプラスチック)は、水系に流入した場合、海面や海中を半永久的に浮遊する。小型濾過摂食動物や動物性プランクトンがこれらを誤食し(海鳥などがプラスチック片を誤食するように)、フィルターや消化管を詰まらせるなどの被害を受ける可能性が指摘されている。
そしてこれだけではありません。
マイクロプラスチックを間接的に摂取?
英国の海岸線、約8ヶ所から採取した貝からマイクロプラスチックが見つかったと。
しかも、水域から採取されたものだけじゃなく周辺のスーパーで購入したものも含まれているそうです。
更に、なんとその割合100%。
間接的にでも、魚介類を通してプラスチックを摂取しているという可能性が。
完全分解型がどれくらい使われているだろうか
話を戻しますと、じゃあ部分生分解性より完全分解される方を使った方が良いんじゃない?って話になるかと思います。
(ちなみに生分解性プラスチックは使い捨て意識を助長させるとして、既に環境のメインテーマからは外れている?ようです。用途も限られているとのこと)
あまりいいデータが無かったので、どれくらいの量がどれくらいの価格で流通しているかは不明です。
しかし完全分解とは着色に使ったもの、添加物も含めて完全分解させるような素材でなくてはなりません。
※着色料だけ分解されないとか、添加物は残るとかだと部分生分解と変わらないのでは?という推測です。
強度の問題もあり、保管している間に崩れてしまうと意味をなさなくなるので扱いも大変そうです。
まとめ
調べれば調べるほど奥が深い問題ですが、用途が限られているので生分解性プラスチックもそこまで見かける機会は多くないかもしれません。
しかし、とある論文によると堆肥化施設で特殊な条件をクリアして分解されたプラスチックが「生分解可能(biodegradable)」、「堆肥化可能(compostable)」を名乗れるようです。
※https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.est.7b04051
分解されて土の栄養になる、なんてイメージでしたが…
なかなか奥深い問題です。
何か間違いやご指摘等あれば教えて下さると嬉しいです。
ではでは(`・ω・´)ゞ