ふと暑さについて調べてたら、同じ温度でもなんでこんなに違うのだろう?と思いました。
気温とお風呂って全然違うと思うんですけど、よくよく考えたらお風呂って人によっては41℃でもぬるめじゃないですか。
けど気温で41℃ってなったら、それはもうヒドいことになると思うんですよね。
なんでこんな差が生まれるんだろう?って思って考えつつ調べてみた感じです。
お風呂と気温の違い
まずは頭で考えてみます。
お風呂は頭だけ出ているし、浸かっている間は一般的に5~15分。
でも気温の場合は全身、しかも衣服着用だし外出している間はずっと。5~15分で終わらない場合もある。
【湿度と温度】不快指数って何?湿度が高いとなぜ人は不快に感じるのかでもまとめたけど、湿度も関係はある…となると、水と気温で熱の伝わり方が違うとか?
熱伝導率で調べてみると
気になる記事があったので一文を引用します。
都内の内科医は言う。
「水と空気との熱伝導率や比熱(温まりにくさ)などの違いがかかわっているからです。空気と水とでは、熱を吸収する速度が違います。例えば、水が体温より少し低いだけであっても、体温が水のほうに奪われ、どんどん寒く感じていきますが、空気の場合は熱を吸収しにくいので、体温があまり奪われず、逆に皮膚からの放熱が少なくなってしまい、どんどん暑くなっていくんです」
なるほど…空気のほうが熱を吸収しにくいから、体温奪われにくいと。だから熱が逃げずに気温のほうが暑く感じる。
でもそうなると水の場合、体温が36℃だとして38℃のお湯でも熱がすごく伝わってどんどん暑く感じるのでは?
実際は水温38℃だとわりかしぬる湯。気温38℃だと鬼のように暑い。
うーん。もう少し調べる必要がありそうです。
面白い記事があった
大半が熱伝導率で説明されている記事ばかりで、どうも釈然としないものばかり。
ですが、同じように疑問を持って実験に当たっている記事がありました。
→38℃の日は暑いのに38℃の風呂に入ると熱くないのはなぜか (中学校の部 文部科学大臣奨励賞) | 入賞作品(自由研究) | 自然科学観察コンクール(シゼコン)
愛知県刈谷市立刈谷南中学校の2年/3年生が研究に当たり、名古屋大学環境医学研究所の岩瀬先生が大きく関わっています。
以降は彼らが辿った実験内容を引用しつつ、疑問に対して答えを見つけていこうと思います。
ちなみにしっかり実験データもまとめられていて、シゼコンの文部科学大臣奨励賞を受賞している記事です。
例えば体の一部と全身で感じる温度について実際にシュノーケルを使い、全身で38℃のお湯に入浴するとか。
38℃の日は暑いのに38℃の風呂に入ると熱くないのはなぜか (中学校の部 文部科学大臣奨励賞) | 入賞作品(自由研究) | 自然科学観察コンクール(シゼコン)
(班員6人がぬるいと答え、特に全身で入浴しても変わらなかったようです)
すごい体張ってますね。
研究の過程で岩瀬先生に会う
この研究チームはネットを使って質問を繰り返し、岩瀬先生という存在を知って直接連絡を取るまでに至ったようです。
すごい行動力。その中で一つの仮説に行き着きます。
わたしたちは、岩瀬先生に教えていただいた中の「暑さを感じるのは深部温と皮膚温の違いではないか」に注目し、次のような仮説を立てました。「熱さ(暑さ)を感じるのは、深部温と皮膚温の温度差が大きいときである」
38℃の日は暑いのに38℃の風呂に入ると熱くないのはなぜか (中学校の部 文部科学大臣奨励賞) | 入賞作品(自由研究) | 自然科学観察コンクール(シゼコン)
深部温と皮膚温の差!他の記事には無い部分だったのでかなり気になりました。
実際に実験をしてみた内容
しっかり計測器具を使い、印をつけて同じ箇所で計測するようにし、お湯の温度も0.2℃の範囲で調節されています。
そして38℃のお湯に入ったときのグラフと結果を引用します。
深部温はほとんど変化せず、皮膚温は入ってすぐに38℃に近くなっています。これは、風呂に入った瞬間は、深部温と皮膚温との差が大きいために温かく感じますが、やがて皮膚温が上がると深部温との差が小さくなるのでぬるく感じてくると言えます。
38℃の日は暑いのに38℃の風呂に入ると熱くないのはなぜか (中学校の部 文部科学大臣奨励賞) | 入賞作品(自由研究) | 自然科学観察コンクール(シゼコン)
あーたしかに、入り始めは温かいですもんね。時間が経つとぬるく感じてくる。
その後に今度は同じ室温でも実験をされています。
38℃の部屋に入るとするに皮膚温は上がり始めます。けれど8分後くらいからは汗がどんどん出てきて、皮膚温は下がり始め、34℃くらいまで下がってくることが分りました。 つまり、38℃の部屋へ入ったときは、38℃の風呂に入ったときより、皮膚温は低くなり、それにより深部温との差が大きくなり、暑く感じると説明できます。
38℃の日は暑いのに38℃の風呂に入ると熱くないのはなぜか (中学校の部 文部科学大臣奨励賞) | 入賞作品(自由研究) | 自然科学観察コンクール(シゼコン)
ただこの深部温、冬になると違うんじゃ…と思っていたら同じ疑問を持っていたようで、結果を元に岩瀬先生へ質問されています。
その中で、皮膚温と外気温との差を考えればいいというヒントをいただき、わたしたちは仮説を次のように立てました。
「外部の温度と、皮膚温との差が大きいほど熱さ(暑さ)を感じる」 今までの実験資料を外界の温度と皮膚温との差に注目して見てみました。
38℃の日は暑いのに38℃の風呂に入ると熱くないのはなぜか (中学校の部 文部科学大臣奨励賞) | 入賞作品(自由研究) | 自然科学観察コンクール(シゼコン)
詳しい比較内容はリンクから記事を見ていただければと思いますが、つまり皮膚温と外部の温度差で熱さや暑さを感じる結果になっています。
まとめ
気温が高い時、発汗により気化熱で皮膚温が下がり、その結果生じる温度差で暑さを感じる。
入浴時は発汗による気化熱が生じない為、皮膚温と水温に差がなくなる。
という内容でした。まぁ、冷えてる時に温かい室内に移動するとあたたかいなーって思いますもんね。皮膚で感じてたわけですね( ˘ω˘)
ちなみに高温のお風呂に入ったら暑いままだけど?と思われますが、その場合は深部温度がそこまで高くないので差がなくなるほど皮膚温が上昇しないようです。
そして徐々に深部温度が上昇し始めるのでのぼせる状態になる…と書かれています。
この記事がとても納得できました、なかなか難しい内容を中学生の方々がまとめていると思うとすごいなぁと思います。
ではでは(`・ω・´)ゞ