仕掛けにけしかけられたうえの(@uenoyou111)です( ˘ω˘)
よく日常で「しなきゃいけない」という決まりごとは多いと思います。
ですが、不特定多数の方が利用する場ではそのルールが守られない事もしばしば…。
でもちょっとした仕掛けで、「しなきゃいけない」が「したくなる」に変わることがあります。
そんな仕掛けが面白かったのでまとめてみました( ˘ω˘)
「したくなる」仕掛けとは?
まずはこちら。本棚のファイルをイメージして頂ければ。
仕掛けとは、この背表紙に赤いラインを入れたりすることです。
こんな感じ。そしたら自然と戻す時に揃えたくなるでしょ?というのが「したくなる仕掛け」です。
(中には関係なく並べちゃう方もいますが)
ちなみにこのマーカーがついた状態で大きさ順に揃えるとこんな感じになります。
直したい…!と思わない方も居ますが、仕事においては「このように整理しなさい」という意図を示すものでもあります。
仕掛学について
上記にあるような人の行動を変えるキッカケを仕掛けと呼び、これを研究対象にした学問を仕掛学と呼びます。
日本で唯一仕掛けについて事例を収集し、分類して「仕掛学」を確立した方が大阪大学大学院経済学研究科の松村真宏准教授です。→松村研究室へ
仕掛けについていくつか本を出されていますが、有名なのはこちらの本かと思われます。
とても読みやすく、仕掛けの基本から仕組み、発想法までまとめられています。
元々著者は人工知能の研究者で、多くのデータを集めたりコンピューターに頼りきりでした。
しかし行き詰まりから生活空間の魅力を人に気付かせる「仕掛け」に辿り着き、データやコンピューターに頼らない方法へブレイクスルー。
結果「仕掛学」を確立するまでに至ったそうです。
サラッと書いていますが、全く反対の見地から転換していく序章からしてとても面白いと感じます。気になる方は是非!
身の回りの仕掛け
例えばこちらも、仕掛の一つです。
トイレに「スリッパはきれいに」と貼り紙をしても利用者はスリッパを揃えないが床に靴跡型のシールを貼るとなんとなくそこに揃えないといけないような気になる。操られている…! pic.twitter.com/lJE2HzRDPX
— Simon_Sin (@Simon_Sin) 2018年4月14日
スリッパの形にシールが貼られており、こちらに揃えようとするキッカケがなされています。
ゴミ捨て行動を促進させるこんな仕掛けも。
こちらはゴミ箱の上にバスケットゴールを取り付けることで、ゴミをシュートしたくなるキッカケを利用しています。
こちらは大阪の天王寺動物園で実証実験に使われた手指の消毒器です。
真実の口をイメージしたもので、手を入れることで自動消毒機がアルコールを噴霧。手指の消毒を促す仕掛けです。
世界にも様々な仕掛けがある
動画になりますが、ゴミを捨てると音が鳴るゴミ箱です。
聞いて頂けると分かるのですが、捨てると長い落下音が聞こえます。
そんな深いはずないでしょ!という不思議さから思わずゴミを拾って入れてしまうゴミ捨て促進の仕掛けがなされています。
なんと効果は高く、通常の1.7倍近くゴミが集まったようです。
他にも、運動不足の背景から階段の利用を促進するための仕掛けがこちら。
ピアノの鍵盤に見立て、音が鳴る面白さから駅利用者のうち66%が階段を選んだとのこと。
選択肢を増やす
非常に面白い誘導ですが、仕掛けはあくまで意識しないものを意識させる仕組みです。
つまり強制力は無く、本人が自主的にその行動を選ぶよう問題に対する選択肢を「仕掛け」という形で提示する流れになります。
「魅力的な選択肢」の例として、公共の男子トイレの事例を紹介しよう。「きれいに使おう」と張り紙がしてあったとしても、なかなかきれいに使われることは少ない。そこで、男性用便器のなかの一番飛散が少なくなる位置に「標的となるシール」を貼ってみる(図2)と、自然と便器外への飛散が減り、結果清掃コストが大幅に削減できたという。
確かに「綺麗に使いましょう」と強制的に指示されるより、自然な形で誘導するのはルール浸透においてとても好ましい。
結果としてコストが抑えられたと言うことなので、ビジネスの場でも非常に有用である証明がされています。
まとめ
蛇足にはなりますが、行動経済学における「ナッジ」も似たようなものと松村准教授は仰られています。
しかし、仕掛学と決定的に違うのは意図した選択肢の行動が選ばれるようにするという部分。
選択肢を増やしつつも、より魅力的で選択してもらいやすいものを提示することで、結果的に意図した方向に持っていくというところ。
誘導されている、と聞くと穏やかではないですが、双方によりよい結果をもたらすのであればこれ以上はない選択と思う次第です( ˘ω˘)
ではでは(`・ω・´)ゞ