2019/04/07更新
海抜と標高…何となく言葉は知っているけど、よく考えたら同じ高さを表すもの。
しかし、なぜこれが分けられているのか知っていますか?漢字の見た目から、ちょっと違う基準なんだろうかなぁ…と思ってないでしょうか。
この違いを知ることで、身の回りにある小さな疑問をスッキリすることができます( ˘ω˘)
海抜・標高をそれぞれ別に調べてみた
どちらも高さを表すものですが、それぞれ抜き出してみます。まずは標高から。
平均海水面からの高さ。海面は潮汐作用その他によって変化するので,それらを平均した平均海水面を基準として定められる。日本では東京湾の平均海水面を海抜 0mとする。
ん?標高なのに海抜の文字があるぞ…。よくわからないので、次は海抜。
海水面から測った陸地の高さ。干潮時と満潮時の年間平均を基準とする。標高。
んん?標高?結局一緒なんでしょうかねぇ。
別々に調べてみました。
標高の場合
標高の基準は明治時代に作られておりました。
東京湾平均海面(Tokyo Peil:T.P.)とは、全国の標高の基準となる海水面の高さである。「東京湾中等潮位」とも呼ばれる。実際の測量の基準としては、本土から遠く離れた離島を除いては(後述)、日本水準原点が使われる。
つまり、東京湾の平均高を0メートルとしてそこからの高さが標高…ということですね。
ちなみにいちいち海水面から測るのは大変なので、基準となるところがあります。
全然知りませんでしたが、この日本水準原点を元にした水準点というのが全国で2万点あるらしく、これで高さを知ることが出来るようです。
こんな基準があちこちに…測量してる人はこれを見てる、ということでしょうか。
海抜の場合
標高の場合は東京湾の平均海面でしたが、海面なんて地域によって変わるんじゃないか…と思う所。
たとえば、名古屋港基準面(N.P.)は東京湾平均海面より1.412メートル低く、大阪湾工事基準面(O.P.)も1.30メートル低い。
やはり…各地によって変動するようです。しかし次の一文を見ると…。
一部の離島などを除いて、国内のほとんどの地域は「海抜=標高」としている。つまり、特別な意図がない限り、北海道や九州でも東京湾平均海面(T.P.)を基準とした海抜だ。
なんですと…!つまり、海抜も標高もほとんど一緒みたいですね。
これは基準が異なると不都合が生じるという理由と、東日本大震災以降は津波や高潮に対する危機意識ということで「海」を使っている二点が挙げられるとのこと。
まとめ:海抜と標高の違いを知ることで防災に役立てる
海抜も標高もほとんど同じ、でも津波や高潮などの危機意識と注意喚起で海抜が使われることが多い…ということのようです。
ちなみに特別な意図として基準面を括弧書きすることもあるようです。
名古屋市内に設置された海抜表示では「ここの地盤は海抜1.5m」と記載した後に、小さな括弧書きで「N.P.2.9m」などと書かれていることがある。一般的な海抜表示なら1.5メートルだが、名古屋港を基準にすれば2.9メートルという意味である。
でも確かに、標高いくら~って書かれるより海抜表記のほうが何となく意識しますもんね…。
ちなみに同じ高さでも東京の深さ=地下鉄の深さで地面からの深さや海抜・標高について言及した時がありました。
こちらも防災というか、豆知識的に見ておくとどの駅が深いのか知ることが出来ますね。
ではでは(`・ω・´)ゞ