同じ黒でも数々の違いがあるとは思ってましたが、これは異質。
ふとネットサーフィンをしていてたどり着いたのですが、光を99%以上も反射してその凹凸すら認識できなくなる色があるのをご存知でしょうか。
名前をベンタブラックといいます。
今後、様々な分野で応用が期待されてるようなので気になりました。
ベンタブラックとは?
Vantablackと書いて、垂直に並べられたナノチューブの配列(Vertically Aligned NanoTube Arrays)という意味になっています。
そう、ベンタブラックの秘密はナノチューブから構成されている部分にあるようです。
アルミ箔にコーティングされたベンタブラック
見て分かるように、くしゃくしゃになったアルミ箔にベンタブラックで塗装しちゃうと凹凸が一切わかりません。
ぽかんと穴を開けたようになっています。
ベンタブラックに光が当たると、それを跳ね返すのではなく捉えて、チューブ内を何度も屈折させ、最終的には熱になる。
最終的には熱になる…?なんだかこれだけで色々な可能性が見えてきそうな気がしてきます。
他の黒と比較してみる
ベンタブラックについてまとめているサイトがあったので、そちらより画像を引用致します。
まずは黒板。
こちらは約7%の光を反射するようです。次はアスファルト。
こちらは約4%の反射です。そしてベンタブラックになると…
えっ、やば!なんていうか、撮影した画像を全部同じ色で黒塗り加工したみたいな感じですよね。
現実に見たらその形がわからなくて違和感しかないんだろうなぁ…。
ほら、これなんてもう途中から平らになってるようにしか見えません。
髪の毛よりも小さいチューブ
上記のリンクから見ていただけると分かりますが、ベンタブラックの秘密はカーボンのナノチューブです。
髪の毛の10000分の1より細く、光の粒子も入り込めず、チューブの間にある空洞に入り込んで出口を失い熱に変わるんだとか…。
NASAが開発したスーパーブラックもある
スーパーブラックは99.5%以上を吸収、ベンタブラックは99.965%。
まぁそこまで大きな差は無いのでは…?と思うところですが、スーパーブラックは750度以上の環境が必要になります。
ベンタブラックは100~300度。
つまり高温に耐えられないものだと塗ることが難しいようなのです。
何が言いたいかってところですが、ベンタブラックのほうが上位互換というか画期的みたいじゃない?ということです。
何に応用するの?
なんとなく可能性ばかりは感じるこのベンタブラック。
応用できるとか言われている内容を引っ張ってみます。
この物質には、望遠鏡の迷光防止や赤外線カメラの性能向上等、様々な応用がある。
Surrey NanoSystemsのCTOであるベン・ジェンセンは、次のように説明する。
例えば、この物質は、望遠鏡の感度を向上させることで、遠い微かな星の光も捉えられるようにする。また、非常に低い反射率のため、地上や宇宙空間、大気中の機器の感度を向上させる。
また、ベンタブラックは、集光型太陽熱発電の素材として用いることで、熱の吸収を高めることができる。また軍事では、熱カモフラージュ等の応用がある。ベンタブラックの放射率と拡張性が、幅広い応用を可能にしている。
芸術家のアニッシュ・カプーアは、この物質を創作に用いている。
まぁ、ちょっと想像しにくい部分ですが幅広い応用が可能なようです。
また、塗料自体の強度もあるようで耐振動性・耐熱性に優れているという記述も見かけました。
まとめ
黒すぎる塗料、ベンタブラックは今後の応用が期待できる新色?!
ついでにYouTubeでも紹介動画がありましたので載せてみます。
ちなみに黒すぎてもはや異次元のベンタブラックはAmazonで買えるの?という記事でも紹介しています。
ではでは(`・ω・´)ゞ